駐車していた車に鳥のフンが落ちていたことはありませんか?
実はこの鳥のフン、ただの汚れと思って放置すると、塗装に深刻なダメージを与えるおそれがあります。
「フンを放置するとどうなるの?」
「正しい落とし方や、予防する方法はあるの?」
そんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
鳥のフンに含まれる成分は、塗装と化学反応を起こしやすく、時間が経つほど除去が難しくなります。
ですが、正しい処理や日頃の対策、コーティングによる保護を行えば、ダメージを防ぐことも可能です。
本記事では、鳥のフンが塗装に与える影響や効果的な掃除方法、フンを落とされにくくする工夫について、詳しく解説します。
車を長くきれいな状態で保ちたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
鳥のフンが車の塗装を傷める理由
鳥のフンは、見た目にはただの汚れのようでも、放置すると塗装に深刻な影響を与える原因になります。
フンに含まれる酸やタンパク質が塗装面と反応し、表面を変質させてしまうからです。
さらに時間が経過すると、汚れが乾いて固まり、通常の洗車では簡単に落とせなくなるおそれがあります。
ここでは、そうしたトラブルを防ぐために知っておきたい、次の2つのポイントについて解説します。
- 鳥のフンに含まれる塗装を侵す(おかす)成分とは?
- 放置するとどうなる?時間経過で起こるダメージ
鳥のフンに含まれる塗装を侵す(おかす)成分とは?
一見ただの汚れに見える鳥のフンですが、その中には塗装にダメージを与えるさまざまな成分が含まれています。
代表的なものは以下のとおりです。
- 尿酸:酸性度が高く、塗装のクリア層に化学反応を起こす
- タンパク質:分解過程で表面に変質を引き起こし、跡が残りやすい
- 消化酵素・消化物:酸化によって塗装面にしみ込むとシミやくすみの原因になる
これらの成分は、紫外線や熱の影響を受けるとさらに悪化しやすくなります。
乾燥と同時に汚れがこびりつき、無理にこすれば塗装を傷つけてしまうこともあります。
放置せず、早めに対応することが大切です。
放置するとどうなる?時間経過で起こるダメージ
鳥のフンは、付着してすぐであれば比較的簡単に拭き取れます。
しかし時間の経過とともに塗装面に浸透し、除去が難しくなっていきます。
特に日差しの強い日や高温時は、汚れの乾燥が早く、塗装との結びつきも強くなりやすい状況です。
時間経過による主な変化の目安は以下のとおりです。
- 数時間以内:乾燥が始まり、表面に軽い変色が起こる可能性あり
- 半日〜1日:酸性成分が塗装に浸透し、ムラやシミとして定着しやすくなる
- 数日〜1週間:フンの輪郭がくっきり残り、クリア層に明らかな劣化が現れる
- それ以上:研磨や再塗装が必要になるケースもあり、美観だけでなく価値にも影響
夏場や炎天下では、わずか数時間の放置でもダメージが進行してしまいます。
「あとで洗えばいいや」と思っていると、気づいたときにはすでに手遅れになっていることもあります。
美しい塗装を守るためには、見つけたらすぐに対応するよう心がけましょう。
鳥のフンの正しい掃除の方法とNG行動
鳥のフンを見つけた際に、ティッシュや乾いた布でこすってしまうケースは少なくありません。
しかしその処理方法は、塗装を傷める原因になってしまう可能性があります。
誤った落とし方をすると、汚れが十分に落ちないだけでなく、塗装にキズやムラが残ることもあるため注意が必要です。
ここでは、以下の2つの対処法を紹介します。
- 間違ったフンの処理方法
- 車の塗装を守るための正しい落とし方
間違ったフンの処理方法
鳥のフンを見つけた際、すぐに取り除こうとして強くこすったり、乾いたティッシュで拭いたりすることが多く見られます。
ただし、こうした対処は汚れを広げるだけでなく、塗装に細かなキズを残す原因にもなってしまいます。
特に注意したいNG行動として、以下のような方法が挙げられます。
- 乾いた布やティッシュでこする
- お湯を直接かける
- 爪や硬いもので削り取る
- フンをこすりながら洗車する
これらの行動は、見た目以上に塗装へダメージを与えるおそれがあります。
乾いた布でこすると、フンが研磨材のように作用し、細かなキズが残る原因になります。
また、お湯をかけると急激な温度変化によって塗装を痛めることもあります。
爪や硬いもので削れば塗装が剥がれるリスクがあり、洗車中にこすってしまうと汚れを広げかねません。
焦らずに、まずはフンをやわらかくしてから、塗装を傷つけないよう優しく落とすことが重要です。
車の塗装を守るための正しい落とし方
鳥のフンを安全に取り除くためには、まず汚れを無理にこすらず、やさしく柔らかくすることがポイントです。
強くこすってしまうと、フンに含まれる異物で塗装面を傷つけてしまう可能性があります。
次の手順を意識すると、塗装を守りながらフンをきれいに取り除くことができます。
- 濡らしたティッシュや柔らかい布をかぶせて数分間放置する
- やわらかいクロスで軽く拭き取る
- 水で流して残留物を洗い流す
- 最後にやさしく拭き上げる
フンが硬くこびりついていて落ちない場合は、自分で無理に処理せず、専門店に相談すると安心です。
正しい手順を知っておくだけでも、愛車の塗装を守ることにつながります。
鳥のフンを寄せ付けないための対策
フンの汚れに気づいたときには、すでに手遅れになっていることも少なくありません。
そもそも落とされにくい状態をつくっておくことで、余計な手間やダメージを避けることができます。
ここでは、鳥にフンがよく落とされる車の特徴についてと、鳥にフンを落とされにくくするための対策についてご紹介します。
- フンがよく落とされる車の特徴とは?
- 駐車時の環境を工夫してダメージを回避
フンがよく落とされる車の特徴とは?
鳥にフンを落とされやすい車には、いくつかの共通点があります。
次のような特徴や状況の車は、目立ってフンを落とされやすい傾向にあります。
- 黒や白などコントラストの強いボディカラー
- 光沢のある綺麗なボディ
- 屋外に長時間駐車されている車
- 高所に駐車されている車(立体駐車場の上階など)
- ミラーやガラスに反射が強く出る車
これらの車は、鳥の視覚の特性や行動習性の影響を受けやすく、フンを落とされるリスクが高まる傾向にあります。
たとえば、黒い車は鳥にとって水面や影のように見えやすく、視界に入りやすいといわれています。
また、光沢のあるボディや、目立つ場所での長時間駐車は、太陽などの光の反射や存在感が強くなり、鳥の注意を引きがちです。
こうした鳥に取って視覚的に目立つ車は、フンを落とされやすくなると考えられています。
さらに、ミラーやガラスに映った自分の姿を他の鳥と誤認し、縄張りを荒らされたと感じて威嚇行動を取ることもあります。
その際に排泄をともなうケースもあり、これも被害を招く一因といえるでしょう。
もしこのような特徴や状況に心当たりがある場合は、駐車場所を見直したり、カバーを活用したりすることで、被害の軽減が期待できます。
駐車時の環境を工夫してダメージを回避
鳥のフンによる汚れを防ぐには、日頃の駐車場所の選び方も重要です。
落とされやすい環境を避けるだけでも、フン被害のリスクは大きく下げられます。
特に意識したいポイントは以下のとおりです。
- 電線や街路樹の下は避ける
- 建物の陰や屋根付きの場所を選ぶ
- 人通りの多い場所や店舗前のスペースも有効
また、どうしても屋外にしか停められない場合は、カバーをかけるという方法もあります。
カバーは汚れを直接防げるだけでなく、塗装への浸透も抑えることができるため、有効な手段のひとつです。
駐車する環境を少し意識するだけで、鳥のフンによるトラブルはかなり減らせるでしょう。
鳥のフンによるダメージを防ぐための対策
鳥のフンは、早めに対処しなければ塗装を傷めてしまう厄介な汚れです。
しかし、毎回すぐに気づいて処理をするのは、現実的にはなかなか難しいかもしれません。
こうした事態に備える手段としては、コーティングが有効的になります。
コーティングはボディ表面に保護膜をつくり、汚れの付着や浸透を防ぐことで、フンも落としやすくしてくれます
ここでは、コーティングの効果と選び方の両面から詳しく解説していきます。
- コーティングの効果とメリット
- 愛車を守るための最適なコーティングの選び方
コーティングの効果とメリット
コーティングは、塗装の上に保護膜を形成し、外的ダメージから車を守る役割を果たします。
鳥のフンが落とされた場合でも、直接塗装に触れにくくなるため、ダメージの進行を抑える効果が期待できます。
主なメリットは以下のとおりです。
- フンが塗装に直接触れにくくなる
- 汚れが固着しにくく、拭き取りやすい
- フンが乾いてもシミになりにくい
- フンの酸性成分による変色を防げる
- 洗車の回数を減らせる
- ツヤのある見た目を長く保てる
- 紫外線や雨風による劣化も抑えられる
- コーティングは種類豊富・多性能で、欲しい性能のものを選べる
鳥のフン対策に加え、塗装全体を守る効果も期待できるため、日常使いの車にもおすすめです。
愛車を守るための最適なコーティングの選び方
コーティングにはいくつかのタイプがあり、それぞれ特徴や効果が異なります。
鳥のフンによるダメージを防ぐには、汚れが付きにくく、落としやすい性能を持つタイプを選ぶことが大切です。
特に注目したいのが、次の2つのタイプです。
- 撥水性コーティング:水を弾いてコロコロと流れるのが特徴。水滴がすぐに流れ落ちるため、鳥のフンも落ちやすくなることがあります。洗車頻度が高い方や、ツヤ感を重視する方におすすめです。
- 親水性コーティング:水が広がってなじむタイプ。水滴が残りにくく、フンやミネラル成分の固着を防ぎやすい傾向があります。屋外駐車が多い場合や、濃色車をきれいに保ちたい方に向いています。
選ぶときは以下のポイントも参考にしてみてください。
- 使用環境(青空駐車・海沿い・山間部など)
- 車の色(黒など濃色車は汚れが目立ちやすい)
- 洗車頻度やメンテナンスの手間
- コーティングの耐久性や保証期間
- 施工店の技術力やアフターサポートの有無
どのコーティングが合うかは車の使い方や保管場所によって変わります。
過去のコラム記事でも、コーティングについての基礎知識や選び方を書いているので、必要な方はぜひご参考にしてみてください。
車にコーティングは必要か?メリットや種類、コーティングの仕方を解説!
【愛車のガラスコーティングで後悔しない!】必要な基礎知識を解説!
キャンピングカーで使用するコーティング剤の種類や選ぶポイントは?詳しくご紹介
迷ったときは、経験豊富な施工店に相談し、自分のカーライフに合った提案を受けるのが安心です。
まとめ
鳥のフンはただの汚れと思われがちですが、塗装にとっては深刻なダメージの原因となってしまうことがあります。
特に高温や直射日光の影響で汚れが固着すると、通常の洗車では落とせなくなるケースもあります。
日頃からできる対策としては、以下のようなポイントが大切です。
- 早めの対処でダメージを防ぐ
- 間違った処理を避け、やさしく落とす
- 駐車環境を見直して、フンを落とされにくくする
- 塗装を守るために、あらかじめコーティングをしておく
丁寧なケアをしながら、必要な場合は、コーティングでダメージへの予防をしましょう。
コーティングは、鳥のフンが付着しても落としやすく、塗装への侵食を防いでくれる頼もしい存在です。
種類によって性質や効果に違いがあるため、自分の車に合ったものを選ぶことが大切です。
愛車の塗装の状態や駐車環境、普段の使い方によって、最適なコーティングは異なります。
迷ったときは、施工前に信頼できる専門店に相談し、プロの視点から最適なプランを提案してもらいましょう。
コーティングをした際には、日頃の洗車や拭き上げを丁寧に行うことで、コーティングの効果をより長持ちさせることができます。
こまめなお手入れを心がけながら、愛車の美しさをしっかりキープしていきましょう。